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2008年10月

2008年10月31日 (金)

木造住宅(軸組構法)の講習会にて

財団法人 日本住宅・木材技術センターの「木造住宅(軸組構法)の構造計画に関する講習会」に行ってきました。

四号建築物の構造関係規定の審査省略特例が見直しされた場合にどういう提出書類が必要なのかと思ったからです。

内容はと言えば・・・・ 木造軸組構法住宅の適切な設計法等の普及を図るため、壁量計算、四分割法、N値計算等の基礎的な構造計画等の講習会を全国にて実施致します。
 これらの簡易な計算等においては、設計者の皆様が普段から実施されていることと思いますが、特に今後、四号建築物の構造関係規定の審査省略特例が見直しされた際には、この計算書の提出義務が生じるものと考えられます。これらのチェックポイントを改めて復習することで、今後の特例見直しに備えましょう。・・・・という事です。

正直、驚きました・・・あまりにも当たり前というか、仕事の上で確認申請書類で特例により提出しなくとも良いが検討するのが当たり前じゃないの?という内容でした。というか、四号建築物の構造関係規定の審査省略特例が見直しされた場合という内容の講習では無いんじゃないの。

全国で講習しているようですが、「設計者の皆様が普段から実施されていることと思いますが・・・」と講習会の説明文にありますが、実際の所はそう思ってない事が講習会の内容から解りました。

まあ、対象者と言う事で「建築士、大工・工務店、住宅メーカー等」ですから解らなくもないのですが・・・・何故、「建築士」は対象者から外れなかったのが情けないですね。

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2008年10月25日 (土)

長寿命な住宅とは

設計に移る前の打合せでよく尋ねられる事の一つに「長寿命な住宅にしたい。」という事が多いと思います。

法定耐用年数で答えると、鉄筋コンクリートは47年、重量鉄骨は34年、木造は20~22年ですから数字上の答えでは鉄筋コンクリートが一番長持ちと言えます。

間取りから答えると、住宅のような小規模の建物の場合に鉄筋コンクリートは壁で構造を持たせる壁式構造という構造形式が多くなります。メリットは壁で構造を持たせる為、柱が無くなります。柱型が出ない為に部屋内に柱型の出がありません。しかし、大スパンの部屋を造る場合は不向きです。その為木造でも可能な間取りになります。重量鉄骨造の場合は、やはり部屋内に柱型が出来ますし、柱の位置で間取りも不自由となりがちです。木造はというと、まあ大空間は難しいですが、ある程度自由な間取りとなります。

使い勝手からですと、リフォームがやり易い構造は、木造が一番でしょう。梁の架け替えなんかも可能です。次に重量鉄骨造でしょうか。柱、梁、床を残し中身のリフォームはやり易いでしょう。もっとも困難なのは鉄筋コンクリート(壁式構造)でしょう。設備配管などの壁の打ち込みなどにより、コンセントやスイッチ類の移動が難しく、壁を壊して間取りを変える事はホトンド不可能となります。

メンテナンスの点からは、やはり防水だと思います。どの構造であれ、屋根の防水に関しては法的にも10年保障となります。だからと言って10年以上持たない訳では無いのですが、その期間を過ぎれは雨漏りをしたとしても保障期間を過ぎてしまいます。という事から考えればどの構造であれ、メンテナンスの時期が来るでしょう。

そして、住まいを取り巻く環境については、住宅の設備器具や電気器具、通信器具などの変化がどれくらいなのか?という問題です。10年ぐらいだと劇的な変化は無いとは思いますが、30年ではどうでしょうか?また、構造に関してなど考えると、建築基準法などの去年の構造の改正の以前の改正の時期が昭和56年で、26年前です。30年建てば規準法の改正が無いとも言えません。正直な話、変化が起きないという事は言えないのではないでしょうか。

全てに対応できる長寿命な住宅とは存在しないと思います。しかし、上記の話の中でも何かに対応する長寿命な住宅はできます。構造的に寿命が長いとか、将来のリフォームに対して柔軟な事など選択する必要はあると思います。

極端な事を言えば、鉄筋コンクリートなどは、構造的な強さや耐用年数を重要視して、間取りを変えない人向きで、重量鉄骨造は、構造的な強さを重要視して、将来の内部の間取り変更を考える人向き、木造は、建物の可変性を重要視して、将来の内部の間取り変更はもちろん増築など考える人向きと言えるでしょう。増築はどんな構造でも出来ますが、規準法が改正された場合には、鉄筋コンクリートや重量鉄骨造などは難しくなると思います。(去年の法改正の問題から考えた場合という事です。)

唯一つ言える事は、メンテナンスをしっかりする事が出来れば、どんな構造でも長寿命な住宅となります。逆にメンテナンスをしなければ、どんな構造であれ寿命は短くなります。

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2008年10月18日 (土)

建築設計・工事監理の業務報酬基準改定案

いまさら・・・というか現在の建設業界の状況からいって、公共事業はともかく、民間事業で設計料が改定になったので「設計料金を上げます。」と言える小規模な設計事務所は、どれだけいるのでしょうか。ネタ元

抜粋すると、「現行告示と改定案の業務量の違いについて説明した。工事費ベースと床面積ベースの比較なので単純比較は難しいとしながらも、「業務量は、小規模のケースでは増え、大規模なケースでは同様かやや少なくなる傾向がある」(国交省)との見方を示した。」

現在までの建築設計・工事監理の業務報酬基準は、いつ頃定められたかというと、昭和54年7月建設省告示第1206号により定められた基準でなりたっています。

昭和54年以降の主な規準法改正は、昭和56年(新耐震設計の改正)、去年の(平成19年)の構造計算の改正と言う事から考えても、業務量は増えているにもかかわらず、業務報酬は据え置きという、一般の方には知られていないですが、良心的な設計業界とも言えます。

しかし、実はそれさえもメーカー希望小売価格と同じで、設計料はクライアントと設計者の話し合いで決る事が多いのですから、「絵に描いたモチ」という、自虐的な業界でもあったのです。

実際の所、建築士法上で設計料率が変わったので設計料が上がりますといって納得される一般の方が、この時期にどれだけいるのでしょうか。というより、施主(一般の人)側に「建築士法が改正され設計料率が上がります。」というニュースは国交省はしてくれるのでしょうか?

先日、某TVで「 景気が悪いので政治家と官僚の冬のボーナスを0円にします」という事を討論していましたが、「責任のある仕事をしているし、国民の為を思って頑張って仕事をしているから報酬を高くした方が良い人材が集まる。」みたいな事を言ってた人がいましたが、現実を知らない人だなぁ~と思ったというか、逆にその人は、「報酬が高ければ、志の高い人が集まる。」と思っているのでしょうか。

事例は悪いというか、違うと言う方もいるでしょうが、「姉歯事件は何故おきたのか。」や「食品偽装は何故起きたのか。」を考えた場合、報酬が高ければそんな事件は起きなかったと言っているようなもんです。

私は、「志が高くなければ、報酬を高くはできない。」と思うのですが・・・というか昔の時代は「心意気」とか「志」という目に見えない物を判断して金額を決める事は抵抗は無かったような気がします。しかし「人の信頼感」が薄れている現代社会では、「目に見える物」には値段を付けられても、「目に見えない物」には値段を付けない社会になっている感じがします。

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2008年10月17日 (金)

耐力壁の壁倍率(剛性)の低減について

筋かいと面材の耐力壁の壁倍率(剛性)の低減について明確な回答が、なかなか有りません。

第1規準として(壁量計算など)
筋かいを耐力壁として使用する場合、幅は高さの1/3以上になるようにする。とか出ているのですが、何の資料からと言う事から出ているのだろうか?と思ったんですが明確な資料は見つからなかったです。
許容応力度計算(グレー本)によれば、高さ/幅≦3.5との条件を満足するものとする。という事は1/3以上というのは、許容応力度計算より厳しいので問題はないのだなぁ~と思いました。
また面材耐力壁の場合は幅600㎜であれば耐力壁として使用できる場合が多い。(理由は以前書きました。)
というのが、成り立ちます。

第2規準として(3階建てで構造計算が必要な場合)
よく、桁落ちなどにより耐力壁の高さが短くなった場合は、高さ係数により耐力壁の壁倍率(剛性)を低減するのですが、面材の場合は、「桁落ちした部分の耐力壁の高さ」を「一般部分の耐力壁の高さ」で割った係数で低減させるのですが、筋かいの場合は、高さ係数という考え方が無いので設計者の判断で低減させる。
という事で、筋かいの場合には設計者の判断という事になります。
筋かいを桁落ち部分に使用するときは、確認審査機関と相談の上決定という事になりそうです。

木造2階建ての検査など現場を見に行くと、桁落ちした部分に耐力壁がある現場を見かけます。通常は2階の部分が桁落ちしているので、壁量などに余裕がある物件が多いですし、耐力壁の低減してないので告示金物についても余分に必要になります。しかし、2階の壁量計算に余裕が無い場合は考え物なんですが、基準法上のダブルスタンダードなので法的な問題もありません。
確認申請などでも2階建ての場合の桁落ちについては、耐力壁の壁倍率の低減をして下さいという事は言われません。中間検査などでも同様の指摘はされません。

しかし、法的な問題は無くとも、私個人の気分的な問題として残るのですが・・・・そういう悩みを抱えつつ仕事をしています。まあ、どんな事にも絶対に問題は無いという事は無いと思っていますけど。

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2008年10月11日 (土)

面材耐力壁の「釘」

構造用合板で考えますが、面材耐力壁で耐力を出す為に重要な要素は、「釘」です。
耐力壁の釘のピッチなんですが、在来工法と2x4工法では規準法の告示も違います。在来工法の場合は告示1100号によりN50を@150で打つと壁倍率2.5倍となりますが、2x4工法は告示1541号によりCN50を面材の外周部@100、その他は@200で打つ事により壁倍率2.5倍となります。

軸組みの在来と枠材で構成される2x4工法という部分を考慮せず、単体の面材耐力壁という事で判断した場合は、「釘」の本数をより多く打つ2x4工法仕様の面材耐力壁の方が、同じ壁倍率2.5倍であっても強いという事になります。これは単純に、釘の打つ本数が多いほど耐力が上がる為です。

また、在来の告示ではN50の釘と書いてありますので、CN50は使用出来ないのでは?と考える場合もあるかもしれませんが、備考に「同等以上の釘」と書いてありますから、N50同等以上の釘であれば問題はありません。

という事でN50とCN50について
N50 釘頭径 6.6㎜
釘胴径 2.75±0.06㎜
釘長さ 50㎜

CN50 釘頭径 6.76㎜
釘胴径 2.87±0.1㎜
釘長さ 50.8㎜

微妙ではありますが、CN50の釘の方が太く、せん断許容耐力は上になります。よって在来工法にCN50の釘の使用については問題ないといえます。

しかし、高圧釘打機等を使用していたりすると、NC50やFN50などの釘を使用している場合があります。実は高圧釘打機は種類によって、N50の釘やCN50の釘が打てない機械があるからです。これには気を付けなければなりません。NC50やFN50などの釘はN50の釘よりせん断許容耐力は下になるからです。

耐力壁の釘として不適切な釘
NC50  釘頭径 5㎜
釘胴径 2.1㎜
釘長さ 50㎜

FN50 釘頭径 5.8㎜
釘胴径 2.45㎜
釘長さ 50㎜

釘胴径はやや細く、釘頭径では約1㎜変わります。N50の釘に比べるとせん断許容耐力は下になります。

CN釘の釘の場合は、釘の頭に長さの数字が刻印してある物が多いです。最近ではN釘の頭にも刻印してある物もあるようです。いずれにしても釘の頭の大きさを見れば解りますので気を付けて見ています。

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2008年10月 1日 (水)

許容応力度計算による2階建ての計算書

Ca340068 2階建て木造の設計物件で壁量計算で良いのですが、より安心の為にという事で許容応力度計算(グレー本)による構造計算をしてみました。2階建てで60坪程の建物ですが、構造計算のソフトにもよると思いますが、A4サイズで715ページ、厚みは35㎜程という感じになります。計算の中身には、木構造と基礎についても計算してあります。

どこで見たか覚えていませんが、許容応力度計算で計算をした場合と46条の壁量計算では、46条の壁量計算の方が壁量が多くなるという見方をしている事がありました。

建物の形状にもよるかと思いますが、ほとんどの場合、安全率にもよりますが許容応力度計算の方が多くなると思います。

また、2階の床を剛床としないケースでは、耐力壁を付ける位置は剛床よりも厳しい条件となります。つまり2階の床を剛床としないケースでは、2階と1階の耐力壁がずれている場合は、力が上手く分散されないからです。そして、リビングなど吹抜けが大きい場合など、許容応力度計算で計算すると火打ち梁では計算がなりたたない場合もあります。

そう考えると・・・・46条の壁量計算に比べ許容応力度計算だと、あまり斬新な間取りは難しくなると思います。

じゃあメリット無しのような気がしますが、許容応力度計算で計算をすると、小梁を含めて梁は1本毎に計算されているので安全率にもよりますが、材寸がスパン表に比べて小さくなります。後は、許容応力度計算で構造計算をしたという安心感のような感じでしょうか。

個人的に、壁量計算を否定している訳ではありません。正しい答えは一つでは無いという事です。

「どれくらいの地震に耐えられますか。?」という事を質問されます。その答えは簡単に出すことが出来ません。壁量計算であれ許容応力度計算であれ、「地盤の条件」は同じ条件にはならないからです。

つまり「計算上は、震度6~7程度の地震に対して倒壊はしないですが、何らかの形で損傷する場合があるでしょう。」という答えになります。「計算」というのは損傷しない計算をしている訳ではありません。住人の安全を守るという意味で、家が倒壊や崩壊をして住人が家の下敷きになるのを防ぐ為の「計算」ですと答えています。しかし、あくまでも「計算上」です。そこから先は個人の考え方だと思います。

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