« 2008年3月 | トップページ | 2008年5月 »

2008年4月

2008年4月30日 (水)

自然素材の住宅について考える(その1)

まず、自然という定義を考える。

辞書による「自然」の定義 (岩波書店・広辞苑第五版)より抜粋

①おのずからそうなっているさま。天然のままで人為が加わらないさま。あるがままのさま。
②(ア)(physisギリシャ・naturaラテン・natureイギリスフランス)人工・人為になったものとしての文化に対し、人力によって変更・形成・規制されることなくおのずからなる生成・展開によって成りいでた状態。
②(イ)おのずからなる生成・展開を惹起させる本具の力としてのものの性(たち)。
②(ウ)山川・草木・海など、人類がそこで生まれ生活してきた場。特に、人が自分たちの生活の便宜から改造の手を加えていないもの。
②(エ)精神に対し、外的経験の対象の総体。
②(オ)歴史に対し、普遍性・反復性・法則性・必然性の立場からみた世界。
②(カ)自由・当為に対し、因果的必然の世界。
③人の力では予測できないこと

自然素材の住宅というは、私自身の個人的な定義で考えた場合、木であれば無垢材、断熱材などは使用せず土壁で、屋根などは、瓦もしくはカヤ葺き屋根で、基礎には石等を使う住宅なのでは?と考えてしまいます。つまり、2次製品など使用しないで住宅を建てる考えなんですが・・・
まあ、正直そんな住宅は、確認申請上も無理な話なので建てられませんけれど。

自然素材の住宅というのは、私の個人的な考えでは建てる事はできない住宅になります。しかし、自然素材の仕上げの住宅は建てる事が出来ます。なんか、屁理屈のような考え方です。
設計事務所で住宅を設計するというは、そんなどうでもいいような気がする事を考える事でもあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月22日 (火)

用途変更確認申請について

用途変更確認申請を提出するかしないか悩んでいる物件があります。用途変更確認申請については、簡単なようですが建物が古い場合は、手間のかかる申請になりそうです。

・特殊建築物の用途を別用途に変更する場合、用途変更部分の面積が100㎡を超えると用途変更確認申請が必要になる。類似の用途の場合は不要となる。
・用途変更をする建物は、確認申請の許可を受けているだけではなく、検査済証の交付を受けていることが前提となる。検査済証が発行されていない場合、確認申請を提出することはできない(構造的な内容が適切に施工されていたか現状では確認できないため)。
・用途変更確認申請を提出する前に、過去、違法に増築・改築等を行っていないこと。
・用途変更確認申請では、建築基準法の既存不適格の場合、主に建物避難関係の規定を現行法規に適合させる必要がある。
 なお、高さ制限や建ぺい率、容積率等の制限については適用を除外されている。
・建築物の一部を用途変更する場合、建築基準法施行令117条2項による別建物扱い(開口部のない耐火構造の床、壁で区画)で、他の部分の既存遡及を免れた事例はある。
・建築物の構造関係の規定については法文上適用除外となっているが、役所協議の中で積載荷重が現状と変わらないように一部床を除却したり、補強をするよう指導される場合がある。

用途変更確認申請については、「確認申請の許可を受けているだけではなく、確認済証の交付を受けていることが前提」という事から確認申請の許可証と検査済証だけ残っていれば良いという問題では無く、確認申請の副本が全てそろっていなくては、図面による確認ができない事になります。もしその図面が無い場合は、確認申請において必要な基準法通り施工されているかの証明が困難な為に、用途変更確認申請が出せない状況におちいります。
また、「建物避難関係の規定を現行法規に適合させる」という事なんですが、避難関係の規定で改正された場所が解り難いのが現状です。何処が改正なったのか調べるよりも、現行の規準にあっているかを昔の図面から判断する方が早いというか、その方法しかなさそうです。

古い建物の場合など確認申請書類で、図面や構造計算書は厚く邪魔になるからといって、確認申請書類の1面から5面だけ保管していて、いつの間にか図面や構造計算書が無くなっている場合は、いくら検査済証の交付を受けているといっても、建物を改装しているのか?、していないのか?の判断が難しくなりますので、用途変更確認申請が出し難くなりますし、場合によっては用途変更確認申請が受け付けて貰えないケースが発生すると思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月14日 (月)

定期点検条件に構造体などを60年保証

ケンプラッツ 建築・住宅のネット記事にて

 トヨタホームは4月26日に発売する鉄骨造住宅の新製品で、構造体などの保証期間を、定期点検や必要な補修を受けることを条件に60年と設定した。
 新製品は「シンセ・カーダ モード」で、60年保証の対象は、柱や梁からなる構造体と、基礎、屋根、外壁、床、防水部材だ。トヨタホームの定期点検を受け、必要に応じて補修を施すことが条件となる。
 保証を長期化する前提として、構造体や基礎の耐久性を高めた。構造体を構成する鉄骨の防錆加工を強化し、錆びやすい環境である床下に用いる鋼板には、高耐久のメッキや電着塗装を施した。基礎のコンクリートについては、本来はアルカリ性であるものが中性化して強度が低下するのを防ぐため、コンクリートの配合を見直した。

60年という制度(付帯設備は5年)は、初期保障期間というのがあり「基礎、構造体」は30年、「外壁、床、屋根、」は20年、「雨水の浸入防止部分」は10年というようになっており、初期保障期間を過ぎた部位毎に10年毎に延長する事ができ最長60年になるというものだ。
10年毎に延長するという事は、保障期間の更新料も当然の事ながら発生します。
しかし、「定期点検や必要な補修を受けることを条件」という事なのがどういうものなのか?
メンテナンス時期(塗装・防水など)が15年毎に設定していて、「必要な補修」がどの程度の物か解りませんが、補修費用は無料では無いと思います。

これは、住宅の車検制度に近い物ではと考えられます。
初期保障期間内でも「定期点検」をして、メンテナンス時期が来れば、「必要な補修」という形で消耗部品を交換するというような感じです。これならば、60年保障も出来ると思います。上手く考えたとは思います。

当たり前の事なんですが、車検と同様に消耗部品を交換するという事は、無料では出来ません。
それがどの位の費用が発生すると考えれられているかが知りたい所ですが、気候条件などの地域差等によって、かなり変化が予想される為に答えを出す事が出来ないでしょう。
車だって、1年に5000km走行する車と2万km走る車では、車検の費用が変わるというか、消耗部品の交換費用が違いますから。

しかし、15年毎にメンテナンスをする事が出来る建築主であれば、60年以上は建物が長持ちするのではないでしょうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月11日 (金)

リフォームの耐震評価基準から学ぶ事

木造で、フラット35のリフォーム融資を使用する場合に、耐震評価基準というものがあります。
建物の平面的な形状や、壁の配置、筋かい等の有無、壁の割合、立面形状、基礎などに総合評点が決ります。
今回は基礎については省略する事にします。

建物の平面的な形状について整形な形状が評点1.0とすると、1m以上の入り隅が4ヶ所以上あると評点が0.9と下がります。入り隅が4ヶ所以上あっても上下左右(東西南北)で対称の場合は整形な形状となり、評点は1.0となります。

壁の配置、筋かい等の有無、壁の割合については1階の壁のみで判断します。つまり2階の壁では判断しません。また、90㎝未満の壁は壁とみなしません(耐力壁の場合は可)。

壁の配置ですが、基準法による充足率計算では無く、外壁にどれだけ壁が有るかを規準にして算出します。先ほど90㎝未満の壁は壁とみなさない為に、思ったより開口部が増える場合が有ります。
計算は各方向で(外壁面の長さ)/(存在する壁の長さ)によって算出します。割合が0.2以上なら評点1.0となります。割合が0.2未満の場合は評点0.9、全開口の場合は評点0.7となります。

筋かい等の有無ですが、はり間と桁行き方向で算出します。それぞれ(筋かいの有る壁x1.5)+(筋かいの無い壁x1.0)として(筋かいの有る壁)+(筋かいの無い壁)で割りだした係数とします。枠組み工法(2x4)の場合は評点を2.0とします。

壁の割合ですが、最初にはり間と桁行き方向の単位面積あたりの壁の長さを算出します。それぞれ(壁の長さの合計)/(1階部分の床面積)が、単位面積あたりの壁の長さとなります。それを表にある係数(2階建ての場合は、軽い屋根0.29、重い屋根0.33)で割った値が評価値となり、その評価値の数値により、6段階に分かれている表から評点が決ります。最高になる評点1.5の場合は評価値が1.8以上、最低になる評点0.3の場合は評価値が0.3未満となります。

立面形状は、バルコニーを除くオーバーハング(1階に対して2階が飛び出している形状)が50cm以下ならば、評点は1.0ですが、50cm~100㎝以下では評点0.9、100㎝を超える場合は評点0.8と下がります。

以上の事から計算された評点をチェックシートで計算して評価していきます。

裏を返せば上記の事柄などは、新築時などにも当てはまるのではないでしょうか。
同じ床面積で、壁量計算を法規上同じ様に満たしていても、平面的、立面的に不整形な形状であれば、耐震評価基準は低くなるのではないでしょうか。この事柄からも木造住宅は、なるべく上下階間崩れを起こさないように部屋を配置する事が、大事なんだと考えます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月 7日 (月)

スケルトン住宅

何か新しい言葉のように感じる事であり、政府が進めようと考えている「200年住宅」などでも、構造躯体は長持ちしても、浴室や台所などの水回りや配管設備などは、使用頻度が高いこともあってどうしても老朽化が早く、長持ちする構造躯体(スケルトン)はそのままに、老朽化・変化のしやすい内装・設備・間取り(インフィル)だけを交換できる「スケルトン・インフィル構造」が基本設計思想の住宅です。

良く考えて見ると、何の事はない田の字の間取りの日本家屋に先祖帰りをしているような気がします。
田舎と言っては失礼かも知れませんが、台所や便所、風呂など別棟でつながっている昔の日本家屋です。乱暴な考え方かもしれませんが、長持ちしている住宅です。
利点は、昔の建物は、柱、梁などの構造体が見えていますから補修や修繕などのやり易いですし、何といっても悪くなるれば、目で確認する事が容易です。また水廻りなどが別棟になっている為、改装が容易という事もあります。その上田の字の間取りは部屋を襖などで仕切っているだけなので、間取りの可変性があります。これなどは間取りが可変だからスケルトン住宅という感じと同じではないでしょうか。

良い事が多いのですが・・・現在の生活スタイルを考えると、
構造体が現されている(真壁構造)の為、気密性が悪い(つまり隙間風が発生して寒い)、冷暖房の効率が悪い(省エネルギーの問題)、別棟で水廻りを建てる場合には土地の問題、建築費の問題、使い勝手が悪くなるなど、そして田の字の可変間取りなどはプライバシーが保てないなどの問題があります。

現在の生活スタイルの住宅では高気密、高断熱化した住宅で、隙間風も無く冷暖房の効率が良い住宅を求めています。しかも長持ちするというニュアンスの宣伝も少なくはありません。本当に長持ちさせる事が可能なのかどうかは私は少し疑問に感じます。

日本のように高温多湿な国では、ある程度の通気が必要だと私なりに考えるのです。住宅などに限らず全ての季節で快適というより、夏は程よく暑く、冬は程よく寒いという住宅で良いのではないでしょうか。
そういう事を考えるとスケルトン住宅というのは、昔の日本家屋の方じゃないかと考えてしまいます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月 3日 (木)

アスベスト問題

とある物件の改修工事の設計図面を頼まれたのですが、鉄骨の建物で耐火被覆が吹付けられていました。
昭和56年ぐらいに建てられた建物なので、アスベストの検査をしてみるとアスベストが含まれている事が解りました。
処理の仕方について考え中ですが、アスベスト問題について確認してみました。

建物物所有者が、建物の利用者についての安全確保の為に決められた事とは。

■アスベストについて重要事項説明書での追加説明責任
(宅地建物取引業法、2006年4月改正)
建物について、石綿の使用の有無の調査の結果が記録されているときは、建物の売買・賃貸の契約時に、その内容を説明しなければなりません。

■利用者の安全のため、石綿の飛散に対して措置を講じる責任
(石綿障害予防規則 第10条関係)
(1)事業者は、その労働者を就業させる建築物で石綿が損傷、劣化等により飛散する恐れのある場合は、除去、封じ込め、囲い込み等の措置を講じなければなりません。
(2)事務所または、工場の用に供される建築物の貸与者は、共用する壁等に吹き付けられた石綿等が飛散する恐れのある場合は、(1)と同様の措置を講じなければなりません。

となってますが、現実問題として「建物について、石綿の使用の有無の調査の結果が記録されているとき」という文面上、建物の所有者がアスベストについて建物の調査をしていない場合は、建物の売買・賃貸の契約時にアスベストが建物に使用されているかどうかの説明義務は無いというか、調査記録が無いので説明しようがないのです。

鉄骨工事の耐火被覆などに使用する吹付けアスベストはいつごろまで使用されたかというと、昭和30年頃から昭和63年頃まで期間になります。
しかしながら、建物建設当時の図面では「アスベスト無し」とあっても現在は「アスベスト有り」になる事があります。法改正によりアスベストを5%超含有するもの[昭和50年]→1%超含有するもの[平成7年]→0.1%超含有するもの[平成18年]と規制対象が拡大されています。
つまり、設計図では判断できない事がありますので、建物所有者が法改正後の検査をしてない物件は、アスベストを使用しているか、使用していないかは解らないと思います。何故かというと、アスベスト使用しているかの検査は、所有者に義務付けられてはいないからです。

そうなると問題は・・・

テナントと所有者では、どちらがアスベストに関する調査をすればよいのか。また、どちらがアスベストの除去等 の措置をすべきか。

という事になります。

建築基準法による規定は建築物の所有者に課せられているのですが、賃貸契約上の問題もあり、結局は当事者間での協議という事になります。建築物の所有者にしても建設当時は合法ですから、アスベストに関する調査を法が改正されたといって、調査を義務づける事は、調査費用などの負担を建築物の所有者に負わせる事になりますので、問題になります。つまり、建築物が現在の法改正により不適格になったのだから、現行法規に合わせ改修工事をして下さいという事にもなるからですし、アスベストに限らず建物の構造の場合でも同じ様な事になってしまうからです。

一時期騒がれましたが、最近では・・・・テナント工事やテナントを借りる再には、建物のアスベストの調査はしているかどうか?というのもあえて確認する必要があると思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月 1日 (火)

4号特例見直し

現在、4号建築物については建築士が設計・工事監理をした場合、建築確認の構造関係規定の審査を省略している。「4号特例」といわれる制度だ。改正建築士法の施行に当たって国土交通省は、建築基準法で定める審査省略の対象を、「構造設計一級建築士が設計・工事監理した場合」に見直すことを検討している。

4号特例が見直されると、これまでの確認申請では必要がなかった設計図書を提出することになる。壁量計算書、各階伏せ図、構造詳細図など。

4号建築物というのは、簡単に2階建てで木造住宅などの小規模建築物の事です。
木造については、壁量計算をするのが当たり前の事なんですが、現在は1級建築士の場合は、確認申請に添付しなくとも確認申請が通ります。私の場合は確認申請には必ず添付しますが、提出する確認機関によっては、壁量計算書を添付すると「壁量計算書を外してくれないか。」という確認機関もあります。

4号特例見直しが今年の年末に始まるのか?来年になるのかは未だに決定していないが、国土交通省は2007年末、4号特例の見直し時期について、「一定の周知期間をおき、設計者などが内容を十分に習熟した後、施行予定」と説明。実施時期の明言は避けている。07年6月以降に起きたような混乱は、何としても避けたいと考えているようだ。

しかし、確認機関や設計事務所は混乱しなくとも、現場での混乱が起きるのではないだろうか?
住宅など模型を作り、CGなどで説明しても実物の大きさではないので、建築主は上棟などの時に建物の大きさに気づく人が多いと思います。若干の修正などが出てくる場合があるのですが、ドコまでの修正が許されのかが疑問に思う所です。

今現在、瑕疵保障検査などで住宅など年間50棟程度みると、確認申請時に作成したプレカット図面と上棟後では梁の掛け方など微妙に変わっている物件は半数はあると思います。後は、耐力壁に関係ない場所に開口部をつけたりとかもあったりします。その中には、建築主による要望によって変更した物件もあります。現在の確認申請には梁伏せ図など提出しなくとも良いので、梁の掛け方は構造的に問題なければ良いとしていますが、4号特例見直しされた後は、構造的に問題なくとも梁の掛け方が違えば変更確認申請という事になるかもしれないです。当然その間は工事が止まる事になります。

住宅などは、創りながら法的や構造的に支障なく、軽微な変更であれば認められました。しかし間取りを変えずに、構造的に問題ない梁の掛け方を変更した場合に軽微な変更にならず、杓子定規に設計図と違うので変更確認申請という形になるのであれば、設計者や建築主にとっても不利益な法律ではないでしょうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年3月 | トップページ | 2008年5月 »